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社会

2019年12月13日

第3四半期の就業者数が増加、失業率は上昇

 第3四半期のシンガポールの雇用市場では、就業者数が増加したが、失業率も上昇するという現象が起こった。雇用創出は増えたが、そうした新たな職に就くための技術を持たない労働者が依然存在していることを示すものだ。人材開発省の発表に先立つ会見でジョセフィーヌ・テオ大臣は「勤め口と技術のミスマッチは依然存在する。なくなることはない」と語った。
 
 同期の就業者総数(外国人家政婦を除く)は2万1700人増加した。失業率(季節調整後)は2.3%と、第2四半期の2.2%を上回った。
 
 9月の求人数は4万2200人で6月の4万7700人を下回った。有効求人倍率は0.83倍で、求職者数が求人数を上回った。企業心理が改善していないことを示すものだ。
 
 第3四半期の部門別の就業者増加数は建設が5400人と好調を維持した。サービスセクターは1万5300人で、金融、保険、専門職サービスで特に増加した。小売業の就業者は減少した。
 
 失業している居住者は7万4200人で、うち6万4600人が国民。この多くが30歳以下か50歳以上だった。
 
 雇用が増加した部門は高技能職。中等教育かそれ以下の教育しか受けていない労働者の失業率が上昇した。
 
 シンガポール国立大学ビジネススクールのローレンス・ロー准教授は、デジタル化推進で事業機会が生まれ、人材が求められる一方で、変化に対応できない労働者も存在すると指摘した。

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