シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP気候変動対策、当初目標を上回る炭素削減を目指す

社会

2019年12月11日

気候変動対策、当初目標を上回る炭素削減を目指す

 スペイン・マドリードで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に出席したマサゴス・ズルキフリ環境・水資源相は10日、演説し、これまでに約束した以上の、地球温暖化ガスの削減に取り組むと表明した。
 
 2015年に合意されたパリ協定で、シンガポールは太陽光発電の利用拡大、環境配慮型運輸システムの推進を表明。電気自動車の利用拡大と、通勤ピーク時の10人に9人は、徒歩、自転車、公共輸送機関、シェア輸送機関利用を2040年までに実現すると約束した。
 
 マサゴス氏は、シンガポールは地球温暖化による海面上昇の被害に直面する可能性があり、存続にかかわる問題だと訴えた。太平洋の島国からも「被害は急速に悪化している」との危機感が表明された。
 
 シンガポールはパリ協定で、地球温暖化ガスの排出量を30年までに、05年水準より36%削減すると約束している。新たな目標は近く発表する。
 
 石炭、天然ガスなど化石燃料の消費が地球温暖化の大きな要因とされており、シンガポールは火力発電を天然ガスに依存している。マサゴス氏は、シンガポールとして太陽光発電の利用拡大を通じ持続可能なエネルギー利用を推進していると釈明した。
 
 炭素税徴収で得た財源は炭素排出削減プロジェクトに利用する。海面上昇に対処するため、マングローブの再生も検討する。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP気候変動対策、当初目標を上回る炭素削減を目指す