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社会

2019年12月3日

大麻成分の薬をてんかん患者に投与、シンガポールで初めて

 
薬剤抵抗性てんかんの患者が大麻成分を含む薬の治療を受けることになった。大麻に由来する成分を含む薬の投与はシンガポールで初めて。
 
 薬剤抵抗性てんかんは、有効だった抗てんかん薬がだんだん効かなくなり、量を増やしても発作を押さえられなくなるもので、この患者(若い女性)は、現在承認されているすべて薬が効かなくなっていた。
 
 担当医師の申請を受けシンガポール健康科学庁(HAS)はカンナビノイド(大麻の活性成分)薬剤の輸入、当人に限定しての使用を認めた。
 
 シンガポールてんかん協会のデリック・チャン会長によれば、使用が許可されたのは米食品医薬品局(FDA)が承認した「エピディオレックス」。幻覚成分を含まない薬だ。
 
 担当医師がHSAに提出した資料では、薬剤耐性のてんかん患者に大麻成分の薬剤投与が有用と証明されている。
 
 米国では4~5年前からエピディオレックスの臨床試験が行われてきた。シンガポールでもカンナビノイドの医療利用の研究が2年前から進行中で、カンナビノイドを治療薬として生産することを目指している。
 
 シンガポールでは大麻草の栽培は禁止されているため、研究チームは生物工学を利用し酵母からカンナビノイドを合成している。

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