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2019年10月22日

「気候変動に自然回復面から対処」、マサゴス環境相

 
 マサゴス・ズルキフリ環境・水資源相は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がシンガポールで初めて開催する会議を前日に控えた10月21日、IPCCの専門家を招いての会議で、気候変動に対するシンガポール政府の取り組みに、マングローブ林の復活や植樹など自然環境への働きかけを含めると表明した。
 
 政府が自然面から気候変動問題に取り組む意向を表明したのは初めて。マサゴス氏は気候変動がもたらす脅威を「生存にかかわる問題であり、どの国も看過できない問題」だと強調。「看過するようなことがあれば市民は街頭デモで意思を表示し、理屈では抑えられなくなる」と警鐘を鳴らした。
 
 IPCCは国際的な専門家で構成する、地球温暖化についての研究の収集・整理のための政府間機構。マサゴス氏はシンガポールには200万本以上の木が生えていること、350の公園と4ヵ所の自然保護区を整備していることを紹介し、土着の木25万本をさらに植えると表明。生物多様性に役立つだけでなく、気候変動を和らげることにもなると述べた。
 
 二酸化炭素排出量から、森林などによる二酸化炭素の吸収分を差し引いたグロスネットでシンガポールは吸収国だったが、ビル建設などのための森林伐採で2014年には排出国に転じた。

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