シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPGDP予想、民間エコノミストが下方修正=中銀調査

経済
金融

2019年9月5日

GDP予想、民間エコノミストが下方修正=中銀調査

 
 中央銀行に相当するシンガポール金融管理庁(MAS)は9月4日、民間エコノミストによる今年の国内総生産(GDP)増加率予想の中央値を発表した。予想値は0.6%で、6月の調査時の2.1%を下回った。MASは8月に質問書を送付、23人のエコノミスト、アナリストが回答した。下方修正が予想された背景に、米中貿易摩擦の悪化がある。
 
 第3四半期のGDP予想は前年同期比0.3%の増加で、これが実現すれば景気後退(2・四半期連続の経済縮小)は回避される。通年のGDP増加率予想で最も多かったのは0.5~0.9%で、次いで0~0.4%の予想だった。
 
 部門別増加率予想は、製造業生産がマイナス2.4%(6月時点の予想はマイナス0.2%)、建設が2.7%(同3.5%)、卸売り・小売りがマイナス2.8%(マイナス0.3%)、ホテル・外食が0.8%(1.4%)、非石油地場輸出(NODX)がマイナス9.2%(マイナス2.1%)と前回調査より下がった。
 
 一方、金融・保険は4.3%と前回の3.8%を上回った。個人消費も3.4%(同2.5%)と上方修正された。最大の下振れリスクに挙げられたのは米中貿易戦争で、次いで香港、ペルシャ湾における地政学上のリスクだった。

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