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経済
金融

2019年8月30日

デジタル銀行の免許発行へ、要項を発表し募集を開始

 
 シンガポール金融管理庁(MAS)は8月29日、デジタル銀行免許の要項を発表。免許を希望する業者の募集を開始した。今年末まで申請を受け付ける。結果発表は2020年中頃で、免許取得者は21年中頃から営業を開始する段取りだ。
 
 免許は、個人が預金できるフルバンクと、中小企業など個人以外の者のみ預金できるホールセールバンクの2種で、フルバンク免許は2つ、ホールセールバンク免許は3つ交付する。応募者は、テクノロジーあるいは電子商取引で3~4年の実績を積んでいる必要がある。合弁体を組んだ場合の資本構成では、総発行株式の20%超、あるいは議決権の20%超を保有しなければならない。
 
 フルバンクはシンガポールを本拠地とする必要がある。当初資本金は最低1,500万Sドル(約11億4,800万円)で、3~5年後には15億Sドル以上(約1,148億円)に引き上げなければならない。ホールセール免許の場合、外国企業も申請できるが、当初資本金は1億Sドル以上(約76億円)とする。どちらの免許のデジタル銀行も、黒字化を実現するための経営計画でなければならず、継続的赤字を想定した計画での申請は却下される。
 
 応募者の審査に当たって当局は、サービス提供で革新的技術を利用し低コスト経営を実現できるか、銀行を利用しない層への訴求力があるか、雇用を創出するか、などを見る。免許取得に関心を示しているのは、配車サービスのグラブ、通信のシングテルや、欧州、中国のスタートアップ。

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