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経済

2019年8月28日

免税店のDFS、チャンギ空港での酒類・たばこ販売から撤退

 
 チャンギ空港で免税店を運営するDFSグループは来年6月のリース満了をもって酒類・たばこ販売業務から撤退する。DFSはチャンギ空港最大で最も古くから入居している免税業者。酒類・たばこ販売部門で働いている職員は500人で、ほとんどが失職することになる。
 
 DFSグループは、高級品を扱うチャンギ空港店舗、およびスコッツ・ロードのTギャラリー・バイ・DFS、シンガポール・クルーズセンター店は維持する。DFSグループのブレナン会長兼最高経営責任者は報道発表で「チャンギ空港の現在のビジネス環境を考慮した。酒類・たばこ販売規制、地政学上の先行き不透明を考慮すると、チャンギでのビジネス継続は採算上、望ましくないと判断した」とした。
 
 DFSは現在、4つのターミナルにおいて18の酒類、たばこ販売店の運営権を持っている。小売業の専門家によると、海外で購入した物品に対するGST(物品・サービス税)免除規則の改定、酒類免税許容量の2リットルへの削減、新商業施設ジュエル・チャンギ・エアポートの誕生による客足の流れの変化がDFSに撤退を決断させたと分析している。
 
 南洋ビジネススクールのリンダ・ウィー准教授は「免税店で特別な商品が買えた40年前とは異なり、オンライン小売業の発展でそうした優位性は失われた」とコメントした。

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