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経済
社会

2019年8月19日

「定年引き上げは2022年から」、独立記念日大会でリー首相

 
 リー・シェンロン首相は8月18日、独立記念日大会(ナショナルデー・ラリー)で、定年を2022年から引き上げる方針を明確にした。また気候変動による海水面上昇の恐れから国を守るため巨額のインフラ投資が必要になるとの認識を示した。
 
 リー氏は現在の経済状態について、外需の低迷でシンガポール経済も減速し、特に電子部門が不振に陥っているが、ほかの産業部門への影響はなく、失業率も低水準にあるため、現時点で景気刺激策を講じる必要性はないと述べた。
 
 一方で、リー氏は「国民の寿命が延び、長く就労したいと考えている国民が多い。これを可能にするためのサポートを行う」と述べ、定年を現在の62歳から65歳へ引き上げることを決めた。再雇用の就労上限年齢も67歳から70歳へ引き上げるとし、22年から10年をかけ段階的に実施する。公共セクターがイニシアチブをとるため21年から実施する予定で、年齢55歳のCPF(中央積立基金)加入者の拠出率も引き上げ、企業に生じる負担を軽減するための措置は来年度予算案に盛り込むという。
 
 気候変動についてリー氏は、国防同様に真剣に考える必要があると訴えた。海水面の上昇から国土を守るためには1,000億Sドル(約7兆6,760億円)が必要だという。
 
 リー氏は就学前教育に対する補助の増額、シンガポール理工大学、シンガポール社会科学大学の授業料引き下げも発表した。

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