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経済

2019年8月15日

新進企業のインドネシア参入が増加、市場規模が魅力

 
 シンガポールで事業を始めて間もない新進企業のインドネシア参入が増加している。人口が世界4位という市場規模の大きさや優秀な人材が魅力だ。
 
 電子商取引の貨物輸送を扱う物流会社のジャニオは昨年4月の創業だが、自分達の「ビジネスモデルを立証するため」(創業者のサイド・アリ氏)、インドネシア参入を決めた。巨大市場であるばかりでなく、挑戦しがいのある市場であり、成功を収めることができればほかの市場での成功も可能と考えたという。
 
 企業の海外進出を奨励する機関、エンタープライズ・シンガポール(ESG)は現在、30社のインドネシア進出を支援している。3年前は約10社だった。最も多いのはフィンテック(革新的金融技術)の新進企業で、銀行口座を持たない住民への金融サービス提供、銀行取引のデジタル化などに携わっている。
 
 両国の新進企業同士を結び付ける役割を果たしているのが、シンガポール国立大学の事業部門、NUSエンタープライズと華人財閥のサリム・グループが設けたインキュベーション施設のブロック71ジャカルタで、20余りのシンガポール企業が活用した。このうちの1社がアウク・インダストリーズで、機械に据え付けるIoT(モノのインターネット)デバイスを生産している。
 
 アウクのサミュエル・タン最高経営責任者は「インドネシア人労働者は過小評価されている」と述べる。シンガポールの企業であれば何か問題が発生すると、専門業者に電話をかけ修理を依頼するのが常だが、インドネシアでは都市から離れた場所での業務が多く、社内で問題を解決する能力を身に付けるようになっているという。
 
 インドネシアでは、オンラインショッピングモールのトコペディア、ブカラパック、宿泊予約サイトのトラベロカ、配車サービスのゴージェックなど有力ベンチャー企業が続々誕生しており、これに多数の起業家が刺激を受けている。

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