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経済

2019年7月8日

IT課程大卒者の希望初任給、月4,500ドル

 
 大学卒業予定者が希望する初任給の額がここ数年、増加している。最も高額の給与を希望しているのは情報技術(IT)課程の学生で月4,500Sドル(約36万円)。企業ブランドサービス会社のユニバーサムがシンガポールの大学で学ぶ1万人余りの学生を対象に実施した「就職したい会社トップ100社調査」で明らかになった。
 
 IT課程の学生が希望する給与は年5万3,721Sドル(約429万円)。経営・商学専攻学生の希望給与は年4万4,459Sドル(約355万円)、工学・自然科学専攻学生の希望給与は同4万4,661Sドル(約356万円)で、ITの学生と20%の開きがあった。
 
 IT課程の学生の希望給与は非現実的との意見もあるが、現実の給与が高いことは事実だ。人材紹介のマンパワー・グループ・シンガポールによると、ほとんどの会社はIT新卒者に月3,200~3,800Sドル(約26~30万円)を支給しており、特に高いのは特殊技術を要するデータ分析職で4,500Sドル。
 
 最近の雇用市場では技能・技術に応じた賃金を支給する傾向が強まっており、シンガポール人材研究所のロー・ペクケム事務局長は、IT、デザイン思考などの技術を持つ新卒者が高給を期待するのは自然なこととコメントした。デザイン思考とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動。ほかに、ユーザー体験デザイン(ユーザー視点で体験を設計すること)、人工知能(AI)の知識・技能がある学生の給与期待も高額だ。
  
 就職の際に優先する事柄との回答で最も多かったのは「仕事と生活のバランス」で、次いで「雇用の安定」だった。

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