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経済
金融

2019年7月5日

個人向け国債の人気が低下、銀行の定期に資金が分散か

 
 個人向け国債(シンガポール貯蓄債=SSB)の人気が低下している。募集に対する応募は2月、3月、4月とも4億Sドル(約318億円)余りあったが、5月は2億7,450万Sドル(約218億円)、6月は2億7,540万Sドルにとどまった。
 
 DBS銀行のストラテジスト、ユージン・リョー氏によれば、銀行が利率をやや高めに設定した定期預金に資金が向かっていると考えられる。
 
 SSBの利子は、8月1日発行分が1.68%。1口500Sドル(約4万円)から購入できる。一方、一部の銀行はこれより高い1.7~2%の利率をシンガポールドル建て定期預金に付けている。
 
 マレーシア系マラヤン・バンキング(メイバンク)が提供している1年物定期(最低預金額は2万Sドル;約159万円)のプロモーション利子は2%。同じくマレーシア系CIMBは1年物定期(同1万Sドル;約80万円)に1.85%の利子を付ける。
 
 利率1.7%は、大華銀行(UOB)の10カ月物定期(同2万Sドル)、スタンダード・チャータードの1年物定期(同2万5,000Sドル)、OCBCの1年物定期(同2万Sドル)。
 
 人気を裏付けるように、銀行の定期預金残高は今年に入り130億Sドル(約1兆円)増加した。

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