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経済

2019年6月6日

複数のREITが上場延期、上場するには時期が悪すぎ

 
 シンガポール取引所(SGX)に最近上場した不動産投資信託(REIT)の価格が低迷していることから、REIT上場を思いとどまる動きが見られる。SGXではここ2年ほど、REITが上場の多くを占めた。SGXとDBS銀行が米国からのREIT誘致に力を入れているためだ。
 
 米国の不動産を裏付けとするKBSプライムUS・REITは新規株式公開(IPO)目論書の申請を見送った。関係者によると、イーグル・ホスピタリティー・トラストとARA・USホスピタリティー・トラストの上場後の人気低迷が理由だ。
 
 米国の高層オフィスビル33棟を資産とする、アセンダス・シングブリッジが組成するREITも上場計画を凍結したようだ。創薬のセンナーブ・ファーマシューティカルズは新規株式公開(IPO)の目論見書申請を取りやめた。投資家の株購入意欲が低かったためだ。
 
 業界関係者によると、米中貿易摩擦が投資家心理に影響しており、今はIPO、上場の時期として不適との判断がREIT運営者に働いているという。
 
 なじみのある市場、企業の方を好む傾向も投資家に見られる。フレーザーズ・センターポイントが5月に実施したIPOでは、機関投資家・認定投資家からの応募は募集枠を超えた。
 
 一方、シンガポール市場でなじみの薄い米系REITであるイーグルトラストとARAトラストに対してはコーナーストーン投資家となる機関投資家が現れなかった。

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