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経済

2019年5月17日

米中貿易摩擦で受注減の企業も、生産移管などで対応

 
 米中貿易摩擦の影響が出始めている。米のトランプ政権が中国からの輸入品に高関税を決定したことで、シンガポール企業に対する中国からの注文が減少している。
 
 アジア・ポリウレタン・マニュファクチャリングのタン最高経営責任者(CEO)によると、中国の顧客企業は最小限の注文しか同社に出さなくなっており、今年は20%の売上高の減少を予想しているという。中国業務は売り上げの25%を占めている。
 
 金属やコイルを中国から調達し、米国の顧客に卸しているグプタ・インターナショナルは通期決算で売上高が22%減少した。アマン・グプタ代表によれば、米国の顧客から関税引き上げ分を負担してほしいとの「馬鹿げた」要請もあったという。注文キャンセルの場合、グプタが中国のサプライヤーに払った前金は戻らない。
 
 現在、ほかの国でサプライヤーを探しているが、域内のサプライヤーはこれを好機と価格をつり上げているという。
 
 複数の世界的な小売りチェーンに店舗用設備を納入しているフューチャーリスティック・ストア・フィクスチャーズは中国とマレーシアに工場があるが、一部生産業務を中国からマレーシアに移管した。しかしマレーシア工場の生産機械の調整が必要で、費用が掛かる。
 
 コンサルティングのコンコード・アソシエーツのバーチ・シオ取締役は「一旦製造業が影響を受ければ、サービス業にも波及する」とコメントした。

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