通信アシアタ、テレノールのアジア事業と合併交渉

 
　通信大手アシアタ・グループは5月6日、ノルウェーの同業であるテレノールのアジア事業と合併に向けて交渉を進めていると発表した。実現すれば東南・南アジアの新興国9カ国にまたがる域内最大級の通信キャリアの一つとなる。スケールメリットを生かして競争力向上を図りたい考えだ。
 
　新会社は、マレーシアやインドネシア、カンボジア、スリランカ、ネパールなど9カ国で3億人の顧客を抱える。このうち6カ国でシェア1位、2カ国で2位、1カ国で3位となる見通しで、売上高は500億リンギ（約1兆3350億円）を超える。なおバングラデシュのロビ・アシアタは合併対象としない方針だ。
 
　両社が持つ通信インフラも統合したい考え。実現すれば世界で上位5位に入る規模となる。またマレーシア市場でのプレゼンスを強固にすべく、セルコム・アシアタと競合デジ・ドット・コムの合併を目指すとしている。
 
　合併を目指す背景には、業界における競争激化がある。競争でサービス料金の低下が続く一方、ユーザーのデータ通信需要は拡大しており、インフラ整備にかかるコストは上昇。合併によるスケールメリットを生かして競争力を高めたい考えだ。
 
（提供：亜州ビジネスASEAN）