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2019年4月18日

トゥアスプリングの淡水生産プラント、PUBが接収

 
 水道事業を司る公益事業庁(PUB)は4月17日、ハイフラックスのトゥアスプリング海水淡水化プラントを接収すると発表した。飲料水の確保という、国民の生活を守るための措置だ。PUBはトゥアスプリングを所有・運営する水処理大手、ハイフラックスに水購入契約の破棄と1カ月後の施設接収を通知した。
 
 ハイフラックスは巨額の負債を抱え経営が行き詰まっている。負債総額は29億5,000Sドル(約2,400億円)で、会社清算の場合、個人投資家3万4,000人は出資金(計9億Sドル:約745億円)を失うことになる。
 
 PUBは淡水化プラントの設備を細かに点検し、修理が必要な個所を洗い出す。シンガポール国立大学のローレンス・ロー准教授は「プラントの欠陥をハイフラックスが直せないことが分かった。このためPUBは水確保のため断固たる行動に出た」とコメントした。
 
 サリム・グループを中核とするインドネシアの連合体がハイフラックス救済を申し出、再建で合意したが、関係は決裂した。このためハイフラックスの破たんはほぼ確実だ。
 
 ハイフラックスは2017年、機能が低下した淡水化プラントの薄膜を交換できず、また最近もプラントを先行き運営できるとの財務力をPUBに示すことができなかった。
 
 PUBとハイフラックスとの契約には、水安全保障のため、接収条項が含まれている。

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