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政治

2019年4月8日

国際刑事裁判所への加入を取りやめ、政治的混乱で

 
 マハティール・モハマド首相は5日の会見で、国際刑事裁判所(ICC)ローマ規程を締約しないことを閣議決定したと発表した。サイフディン外相が3月4日、加入書を国連事務総長に預けたが、マレーシアの王権にかかわるなど一部の王室、また野党から批判を受け、混乱を回避するため締結の取りやめを決めたという。
 
 ICCは個人の国際犯罪を裁く常設裁判所で、集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪に限定している。
 
 締約の方針発表に対し10日、ジョホール州のイスマイル・イドリス皇太子が、政府は君主会議に諮らずにローマ規定締約を決めており、憲法違反と批判。23日にはイブラヒム同州スルタンが「ローマ規定締約また人種差別撤廃条約(Icerd)の批准を目指す行為は、君主、マレー人の特権およびイスラム教の尊厳にかかわる問題であり裏切り者の行為だ」と非難した。
 
 4月4日には野党指導者のイスマイル・サブリ議員が議員立法案を提出。ICC加入は国王の免責特権にかかわるとし、議会での慎重な討議を求めた。
 
 マハティール首相は会見で「ローマ規定署名で、政府は全ての権利を外国人に渡したと主張する者がいる。政府と私の名を貶めようとの政治的意図のある動きだ」と述べた。

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