2019年3月6日
教育制度を抜本改革、振り分けを廃止
オン・イエクン教育相は3月5日の予算審議で、教育制度を抜本的に改革すると発表した。初等教育終了時の試験で将来がほぼ決まってしまう、40年来行われてきたストリーミング(振り分け)方式を段階的に廃止する。
既存制度では、小学校の成績により生徒は中等学校で、「普通学術コース」、「普通技術コース」、成績優秀な生徒のための「エキスプレス」の3つに振り分けられる。
今回、この3区分を廃止し、学力に応じたジェネラル(G)1、G2,G3を設け、生徒は各科目の学力に応じ、G1、G2、G3の授業を組み合わせ、学ぶことができる。G1の授業しか受けられない、ということがなくなる。
オン氏は新制度をプールになぞらえ、「あらかじめ指定された別々の水路を泳ぐのではなく、広い一つの水路を各自が自分の能力と相談しながら泳いでいくやり方だ」と述べた。学業能力に関係なく生徒が交流する環境づくりが狙いの一つだ。
振り分けにはマイナス面があるとの認識から改革に乗り出すもので、オン氏は「能力が下位とみなされた生徒は、どうせ自分はこの程度、といった考えになりやすい」と指摘。「どの子どもも運命は定まったものではなく、成長を促される環境であれば潜在性を開花でき、自分達が誇りに思うシンガポールの息子、娘になれる」と述べた。