2019年2月14日
REIT市場が急拡大、増える海外資産の取得
シンガポール取引所(SGX)に不動産投資信託(REIT)が初めて上場されたのは21年前の1998年で、金融市場の発展が狙いだった。現在、42本のREITが上場しており、時価合計は650億米ドル(約7兆1,994億円)に上る。日本以外のアジアで最多の本数だ。
顕著な成長が見られたのはここ8年で、時価合計は年30%近い増加率だった。SGXのロナルド・タン取締役は、この先も同程度の増加が期待できると自信を示した。
市場が強気相場の時は新規上場が増え、弱気相場の時は既上場のREITによる資金調達が新規上場を調達額で上回る、というパターンが続いており、昨年は新規上場が1本だったが、既存REITによる追加募集や株主割当による資金調達が43億Sドルと8年来の高水準だった。これはSGX全体の資金調達の70%に当たる。
海外資産の取得も増加しており、43億Sドル(約3,510億円)のうち60%に相当する25億Sドル(約2,041億円)が海外資産、特に欧州、米国資産の取得に充てられた。
フレーザーズ・ロジスティクスはドイツとオランダの資産を、キャピタランド・コマーシャルはドイツの、アセンダスREITは英国の資産を所有している。
タン氏は「REIT市場の急速な拡大を受け、シンガポールに適当な資産がなくなるとの懸念があった。海外資産が取得対象になったのは望外の結果」と語った。