2018年12月18日
シンガポール、11月の非石油地場輸出は2.6%減、電子機器は増加
貿易推進機関のエンタープライズ・シンガポールが12月17日発表した11月の非石油地場輸出(NODX=石油・再輸出を除く輸出)は149億Sドル(約1兆2,267億円)で、前年同月比2.6%の減少だった。前年同月比での減少は3月以来。
前月比では4.2%の減少で、市場予想(1.1%減)より大幅だった。輸出けん引力の低下が予想以上であることを示すもので、大華銀行(UOB)のエコノミストは、貿易の先行き見通しにさらに慎重にならざるを得ないとコメントした。
米中貿易戦争が貿易に影響している。域内貿易の状況を示す非石油再輸出は228億Sドル(約1兆8,770億円)で、前月より6%減少した。
11月のNODXのうち、電子機器輸出は前年同月比4.5%増加した。最も輸出額が増加したのは集積回路(IC)、デジタル家電。増加は2017年11月以来。UOB銀行のエコノミストは、電子機器の景気循環は下降期にあるため、増加がこの先続く保証はないとしている。
電子機器以外の輸出は5.2%減少した。金(きん)、特殊機械、石油化学品の輸出が減少した。
輸出市場別では、上位10カ国・地域のうち米国、日本、タイ、台湾向け輸出は増加したが、それ以外は減少した。特に中国、韓国、インドネシア向けが減少した。対中は16%の減少で、7カ月連続の減少となった。
製造業の先行きを示す中間財輸入は64億Sドル(約5,269億円)で、前月より4億Sドル(約329億円)増加した。再輸出、石油貿易を含めた総貿易は904億Sドル(約7兆4,427億円)で、前月より5%減少した。