選挙によらない議員9人を新たに指名、栄寿司のフー会長ら＝シンガポール議会

非公選の議員（NMP）を指名する特別選考委員会は9月18日、9人のNMPを新たに任命した。現職のNMPの任期（2年半）が9月21日で切れるためだ。新NMPには栄寿司を展開するサカエ・ホールディングスを創業したダグラス・フー会長（シンガポール製造業者連盟会長）、パラリンピック水泳の金メダリスト、イップ・ピンシウさん（26歳）が含まれる。

シンガポール議会は人民行動党（PAP）の事実上の一党支配が続いており、多様な意見を吸い上げ、政治に反映させる必要があるとの判断から、政府はNMP制度を1990年に導入した。選考委員会の委員長はタン・チュアンジン国会議長。

選考結果について院内総務のグレース・フー氏（文化・共同体・青年相）は「9人はそれぞれの分野で高い評価を受けている人物であり、豊富な経験が議会にもたらされる」とした。

年齢30歳以下では今回、宗教間調和を推進する団体「ロージズ・オブ・ピース」を創設したアッバス・アリ氏（29）も選ばれた。若者の声を議会に反映させることが期待されている。

ほかに、身体・精神障害者を雇用している非営利の社会事業、ハッシュ・ティーバーを立ち上げたアンシア・オン氏が任命された。