シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP米上場銀行の持ち株、シンガポール・テマセクがすべて処分

経済

2018年8月16日

米上場銀行の持ち株、シンガポール・テマセクがすべて処分

国営投資会社のテマセク・ホールディングスは米証券取引委員会(SEC)への届け出で、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど米市場に上場する銀行に対する持ち株を4~6月期にすべて売却したことを報告した。テマセクの3月末時点の運用残高は3,080億Sドル(約25兆円)。

 

テマセクは中国の銀行への投資は重視しているが、米国の銀行株は以前から削減しており、斬新な金融技術を持つ企業に関心を移している。SECへの届け出では、米上場証券以外については報告していない。

 

テマセクは、グローバル・ペイメント、ペイパル・ホールディングス、センチュリーリンク、ビザへの出資を増やした。センチュリーリンクへの出資額は23億米ドル(約1,850億円)、ビザへの出資額は5億7,000万米ドル(約458億円)。

 

テマセクのプン・チンイー上級代表(中国担当)によると、金融分野に対する投資では、2011年以前は全額、銀行に投資していたが、富の増加で保険が先行き有望との視点から、保険への投資に乗り出した。

 

その後、有力視したのは決済サービスで、電子商取引の普及を背景に、オンライン決済、デジタル決済が将来、重要な地位を占めるようになると判断したという。金融投資の3%を決済サービスへの投資が占めている。

 

アリババに対する出資額は発行済み株式の1.4%(66億米ドル(約5,300億円))で、同社の米上場企業に対する出資では最高。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP米上場銀行の持ち株、シンガポール・テマセクがすべて処分