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経済

2018年6月27日

議決権に差がある株を採用の企業、シンガポール取引所上場が可能に

シンガポール取引所(SGX)は6月26日、同日付で議決権に差がある株(DCS)を発行している企業のメーンボードへの上場を認めると発表した。

 

DCSは持ち株比率と議決権比率を分離することで、証券市場で資金を調達しても創業者や経営者が会社のコントロール権を持ち続けることができる仕組み。

 

SGXのロー・ブーンチャイ最高経営責任者は声明で「事業の急速な拡大のため資金を必要とする起業家が長期戦略を執行する能力を保持しつつ、上場の道も開かれているカナダ、欧州、米国の取引所の仲間入りをSGXは今日果たす」と述べた。

 

香港取引所も約2カ月前、DCSを容認する方針に転換しており、中国のスマホメーカー、小米科技が第1号の上場案件となる見通しだ。

 

SGXはDCSに付随する企業統治上のリスクを軽減するための措置も導入した。複数議決権(MV)株の議決権数は1株に付き最大10で、一定条件の下、MV株はいずれ普通株になる。

 

社外取締役、監査役の任命、議決権数の変更、逆買収、清算、上場廃止を議決する際は、全ての株の議決権は1票とされる。

 

シンガポール金融管理庁(MAS)は、SGXのMV株制度はバランスがとれており、投資家には投資の選択肢が増え、シンガポール市場がさらに活性化する、との見解を示した。

 

DBSグループによると、テクノロジー分野のスタートアップや一族経営企業がDCS方式でのSGX上場を目指す可能性がある。

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