2018年6月1日
シンガポール、HDBが12年物債券を発行、5億Sドルを調達
住宅開発庁(HDB)は先週、12年物債券を発行し5億Sドル(約406億円)の資金を調達した。今年3回目の起債で、最も長期の債券だ。HDBは複数通貨建て中期債発行枠組みで総額320億Sドル(約2兆6,000億円)の調達を計画しており、その一環。ムーディーズによる格付けは最高のトリプルA。
HDBは1月に10年物債で5億1,500万Sドル(約418億円)、3月に5年物債で6億Sドル(約487億円)を調達していた。これで今年の起債額は計16億1,500万Sドル(1,311億円)になった。
シンガポール最大の起債者で、2位は陸運庁(LTA)の15億Sドル(約1,218億円)。民間企業によるものを含めた今年のこれまでのSドル建て起額は42件、77億7,000万Sドル(約6,311億円)で、昨年同期を30%下回った。
HDBの起債を取り扱ったのはOCBC銀行。金融引き締め、予想される金利上昇、地政学上の紛争、貿易摩擦など不透明要素で投資家の心理は揺らいでいたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、緩やかな利上げ路線の維持が確認されたことで投資家心理が改善したとOCBCは判断。債券売り出しをHDBに勧告したという。表面利率は3.08%。