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経済

2018年4月20日

シンガポール・米欧が輸出の合成ゴム、中国が不当廉売認定

中国商務省は4月17日、シンガポール、米国、欧州連合(EU)で生産された合成ゴムが不当に安く輸入されていると仮認定した。4月20日付で反ダンピング(不当廉売)関税を課す。

 

米国が通商法301条に基づいて中国の知的財産侵害の調査を開始して以降、中国が不当廉売の調査を始めたのは初めて。昨年8月、国内2社から要請を受け調査を行ってきた。

 

不当廉売と認定されたのは自動車のタイヤ材料などに使われる「ハロゲン化ブチルゴム」。空気圧を維持する層を作る材料で、チューブ不要のタイヤに使われる。不当廉売仮認定の発表日から10日以内に、利害関係者は中国当局に不服を申し立てることができる。意見聴取は5月3日。

 

シンガポールでブチルゴムを生産しているメーカーは、独ランクセスと米エクソンモービル。ランクセスは4億ユーロ(約531億円)を投じジュロン島にブチルゴム工場を建設した。エクソンモービルもジュロン島に工場があり、現在、年産量14万トンの新工場を建設中だ。

 

米中貿易摩擦はエスカレートしているが、多くのアナリストは、両国は最終的に妥協し、全面的な貿易戦争は回避すると予想している。

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