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社会

2018年1月8日

シンガポール、NUSのチームが水冷式エアコンを開発、実用化は2~3年後

シンガポール国立大学(NUS)のチームが水冷式エアコンを開発した。オゾン層を破壊するとされるフロンガスを使用せず、また熱を発生するコンプレッサーも用いていないのが特徴で、エアコンが設置された場所の周辺の気温にほとんど影響を与えない。試作品はかなりの大きさになったが、2~3年後には従来型エアコンとほぼ同サイズにできる見通しだという。

 

研究チームはNUSキャンパスの屋内と屋外で試験運用した。チームリーダーのアーネスト・チュア准教授によると、コンプレッサーを使用していないため電力消費が40%、従来型より少なかった。

 

従来型エアコンのコンプレッサーは室外機に収容されており、冷房剤が吸収した熱を放出する。水冷式エアコンは熱い空気を放出しないため、周辺気候への悪影響がないという。

 

機構は2段階構成。湿気を持った熱い空気が除湿装置を通過し、薄膜が水分を吸着する。空気は気化冷却装置に送られ、水に熱が吸収される。プールから上がると皮膚表面の水分が気化し、皮膚の温度を下げ涼しく感じるのと同じ冷却原理。

 

HDB公営住宅のマスターベッドルームを20時間、冷却するのに必要な水の量は1リットル。薄膜を使った除湿装置では飲料水も副産物として採取できる。冷房温度の下限は18度。

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