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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2015年6月22日

クループ症候群

クループ症候群は、喉頭が炎症のために腫れて吸気性呼吸困難を起こす病気で、生後6か月~6歳までの小児、とりわけ1~2歳ごろの幼児に多くみられます。

 

具体的な症状は、声がかれて苦しそうで、独特な咳をします。犬の吠えるようなケンケンいう感じの乾いた咳(犬吠様咳嗽)、もしくはオットセイの鳴くような感じの咳と表現されます。息を吸うことが困難になり、泣いても声が出なくなってしまいます。 重症例では気管内挿管を受けたり、死亡例も報告されており、注意が必要です。

 

原因の大部分はウィルス感染です。その多くがパラインフルエンザウイルスによると言われています。他に細菌の感染や、アレルギー、異物や腫瘍も原因として挙げられます。

 

診断は症状や経過、血液検査などを参考にします。治療はボスミンという薬の吸入、ステロイド剤や抗生物質の投与を行います。咳や呼吸困難が強い場合は、入院して治療を行います。通常4~7日間で軽快します。

 

軽い場合は加湿だけで症状が改善することがありますので、充分な加湿をしてください。激しく泣いたら症状が悪化する場合が多く、なるべく泣かさないことも重要です。多くはないですが重篤な状態になる場合もありますので、症状が急激に悪化するようなら急いで医療機関を受診してください。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.159(2010年01月01日発行)」に掲載されたものです。

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