2013年6月17日
バリウム検査(胃透視検査) 動きの意味
胃の粘膜はX線では見ることができません。そのため、バリウムを薄く胃粘膜の上に付着させ、そのバリウムがX線を吸収し胃粘膜の状態を間接的に描出しています。
10円玉の上に紙をのせ、鉛筆でこすると絵が浮かび上がってきますが、紙が厚いと絵がきれいに出ないように、バリウムも胃粘膜にのせる適量があります。バリウム検査の時に横を向いたりうつぶせになったりすることで、胃液を胃粘膜から洗い流す、胃液をのけた胃粘膜の上に直接バリウムを乗せる、または薄く流すということをしています。そしてバリウムが適量になるタイミングで撮影しています。
バリウムは水同様、高い所から低い所へ流れるので、胃を全方向見るためには、左右に流すだけでなく、傾斜させて頭を低くしないと見えない部分があります。体を動かすのは大変ですが、このような理由でお願いしています。
以下は2011年の日本人の癌による死亡者数の部位別順位です。(出典:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター)
男性 1位 肺癌、 2位 胃癌、 3位 大腸癌
女性 1位 大腸癌、 2位 肺癌、 3位 胃癌
男女ともに胃癌は癌の死亡順位3位以内に入っています。胃癌は早期発見により治療可能な病気です。定期的な健康診断で健康を維持しましょう。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.236(2013年06月17日発行)」に掲載されたものです。