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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2014年6月16日

水ぼうそうと帯状疱疹

 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症しますが、初めてこのウイルスに感染したときには、「水ぼうそう」になります。

 水ぼうそうは自然に治ることが多いのですが、そのときに感染したウイルスが体内に隠れて残っている場合があります。帯状疱疹は、このように体内に潜んでいたウイルスが、免疫力の低下や、加齢やストレスなどを契機として再び活発になり、神経の分布に沿って皮膚の痛みと皮膚病変を生じる病気です。50~70歳代に多く認められますが、若い人に発症する場合もあります。

 典型的な症状としては、身体の左右の一方に、

ぴりぴりとした痛みが出現し、その後に帯状に広がる皮膚の紅斑(皮膚表面が赤くなること)と小さな水ぶくれが現れます。発症の部位や重症度によっては、結膜炎や顔面神経麻痺、脊髄炎症状などを合併することもあります。また、皮膚病変が治った後にも、3ヵ月間以上に渡って神経痛に似た痛みが後遺症として続く場合があります。

 治療は、発症後なるべく早期に抗ウイルス薬を投与し、皮膚や神経組織においてウイルスが増えるのを抑えます。また、痛み止めも使用して苦痛を和らげます。

 上述のような症状が認められた場合には、帯状疱疹の可能性がありますので、早目に医療機関で受診するようにしましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.259(2014年06月16日発行)」に掲載されたものです。

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