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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2012年10月15日

欧米人の住まい探し

欧米人の住まい探しには、日本人と違う点がいろいろとあります。

1.家探しのピークシーズン

日本人も欧米人も、転勤によるお子様への負担を最小限にするよう、学年度替わりに家探しをする人が多いのは共通です。しかし、学年度の始まりの違いにより、日本人は2月~4月の異動・家探しが圧倒的に多く、欧米人の場合は6月~8月がピークシーズンとなります。

2.人気地域

日本人の場合、リバーバレーとニュートン・ノビーナ周辺を含む中心部に半数以上が集中しているとみられます。日本人家族のニーズを比較的良く満たす物件がこの地域に集まっているからとも言えます。日本人学校のスクールバスのルートにもなっています。それに続くのが、西部地区と東部地区ですが、日本人幼稚園や中学校そして早稲田渋谷高校がある事、また、ジュロン島を含む西部地区所在企業の拡大などにより、西部地区の日本人居住者数が東部地区を上回っているようです。欧米人の場合は、国籍(=子女の通学する学校)によっていささか異なるものの、概してホランド・ロードやオーチャード・ロードの北側、そしてブキティマ・ロード(含むアッパー・ブキティマ)の周辺に居住している家族が多いようです。元々、アメリカン・スクールの旧キャンパスや欧州系学校のキャンパスがこの地域に所在したことが、この地域をコミュニティー化することに繋がったのでしょう。欧米人の好む土地付き住宅もこの地域に集中しています。

3.予算

日系企業の場合、家族帯同でS$3,500~S$7,500。加重平均(郊外・中心部込)でS$5,000~S$5,500程度と推定され、会社契約が大半です。欧米企業の場合は、個人契約が多く(=”渡しきり”の手当形式)、ポジションによって大きく異なりますが、米国企業の場合、加重平均でS$8,000程度と推定されます。日本人が家具付き(Fully Furnished)で借りるのに対し、欧米人の場合は家具無し(Partially Furnished)が大半です。

4.好み

日本人は、広さより新しさと便利さ(買い物・交通)。欧米人は、新しさや足回りより、むしろ広さと環境。概して高層階を好む日本人に対して、欧米人は低層のアパートや土地付き住宅を好む傾向が強いようです。照明も、明るい照明を好む日本人に対して、欧米人は間接照明を好みます。

5.メード部屋の要否

欧米人は住み込みのメードを雇う場合が多いようです。日本人の場合は通いのパートタイム・メードの利用が精々というのが実情のようです。

結論として、日本人と欧米人は、概して、探す物件の地域・タイプ・時期が異なるため、あまり競合していません。家賃相場の点では幸いしているといえます。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.222(2012年10月15日発行)」に掲載されたものです。

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