2004年7月13日
『ブランドビジネス』三田村蕗子
オーチャードを歩くとルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、数々のブランドショップを目にする。シンガポール人も日本人に劣らず、ブランド好きの国民なのだろう。この本では、人がブランド商品をこんなにも好む理由とそのメカニズムを探り、さらに各種ブランドの日本攻略戦略や百貨店の取り組みなどを紹介しながら、ブランドを取り巻く状況を多角的に論じている。自ら価値判断のできない消費者と、自らブランドを創出せず既存のブランドに依存している小売店に対する筆者の批判が随所に見られる。また、階級差のない日本特有の現象であると指摘するなど、ブランドを通した日本論ともいえる主張も興味深いところである。
平凡社
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.002(2004年07月13日発行)」に掲載されたものです。
文=本店