『トヨタ経営語録―歴代リーダーに流れる「最強の遺伝子」』小宮和行

２００２年に経常利益１兆円を超え、日本一の高収益を誇るトヨタ自動車。本書はそのトヨタグループの創業者豊田佐吉から2005年6月にトヨタ自動車新社長となった渡辺捷昭まで歴代トップによる数々の言葉をまとめて解説を加えた経営語録集。章ごとにテーマがまとめてあるのに加え、それぞれの言葉について一話完結で紹介されており、読みたいところだけ手軽に読めるのが良い。そして何より紹介されている言葉の数々が素晴らしい。目次を読むだけでも十分感銘を受けるのだが、解説も併せて読むと更に良い。私としては「障子を開けてみよ。外は広いぞ」から組織や自分自身の枠を取り払う心構えを、「何が何でも乗用車をやれ」「潰れてもいい。大工場をつくってくれ」からは失敗を恐れず信念をもって挑戦する姿勢を感じることができ、大変印象に残った。更に「トヨタの敵はトヨタ」とくれば、大企業になっても慢心を戒め危機意識を持ち続ける姿勢に思わず頭が下がる。とにかく仕事に疲れた時や、マンネリ感を感じた時に読むと、仕事に対するモチベーションを再び上げてくれるので重宝する。最近仕事に対してマンネリを覚える方は、仕事に対するカンフル剤として一読されてはいかがだろう。

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