2006年12月18日
『美味放浪記』檀一雄
海外に出て、いや海外で無くとも見知らぬ土地へ行ったら、やはりその土地の『食』を堪能したいものです。シンガポールならばチキンライスやバクテー…ドリアンもそうでしょうか?(シンガポール独特ではないか)美味しい、不味い?に関わらず色々と新しい味に出逢うのは楽しいものです。
そこで、今回ご紹介する本は檀一雄の『美味放浪記』です。檀一雄と言えば『家宅の人』で有名な小説家ですが、食に関するエッセイも残しております。様々な土地へ行き、美味しいものを求め、大いに食べ、大いに飲む。ポルトガルでは、七輪に炭火をおこし、ジュウジュウと鰯を焼き、その煙の中でみんなで葡萄酒をあおり、スペインではハモン・セラノ、子鰻の土鍋焼き…。
勿論、本書は海外だけでなく日本国内の美味も大いに堪能しております。鹿児島では豚骨料理、盛岡のワンコソバ。
あくなき探究心で美味を求めて国内、国外を放浪する檀一雄の本著を通し、是非とも世界の美味を放浪してみようではありませんか。残念ながらシンガポールに関するエッセイはありませんが。
中央公論新社
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.088(2006年12月18日発行)」に掲載されたものです。
文=リャンコート店 里見