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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2010年6月7日

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海

photo-5無名の公立高校野球部で、主人公の女子マネージャーが「甲子園に連れていく」という目標を立て、野球部をマネジメントしていく物語である。女子マネージャーとドラッカー。一見、関係無さそうな両者だが、よく考えると、マネージャーという肩書を持つ者は、部活動とは言え何かをマネジメントしている筈である。

「野球部とは何か」という定義づけから始まり、野球部という組織を改革していく。監督を含め全ての部員の長所を生かし、練習を工夫する。学校や地域社会の協力も取り付け、地区予選を勝ち上がっていく。

現実には、高校野球において強豪校と無名校では大きな差がある。練習は「量より質」というレベルでは、解決できない部分も多い。そういった意味では、この物語はフィクションである。ただし、「高校野球の女子マネージャーが、ドラッカーの『マネジメント』を読んだらどうなるのか?」という仮定に対しては、明快な答えが出ている事が分かる。娯楽性に富んだ、良く出来ている小説と思う。

 

ダイヤモンド社/ISBN:9784478012031

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.168(2010年06月07日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 氏家

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