2011年1月1日
「のぼうの城(上・下)」和田竜
「この城、敵に回したが、間違いか…」
天下がほぼ豊臣秀吉の手中にあった戦国末期、秀吉は関東の覇者、北条家を倒すために全国から何十万もの軍勢を集め、小田原城を包囲していた。そんな風前の灯火であった北条家、その支城である忍城には大きいだけが取り柄でいつものんびりしていて、領民からも「木偶の坊」から取って「のぼう様」と呼ばれるお殿様、成田長親がいた。そもそも豊臣家が攻めてきたら内通する手筈になっていた成田家なのに何故か戦いをする事に……??そして、秀吉の家臣、石田三成2万対のぼう様500の戦いの幕が切って落とされた。
30万部以上の大ヒットとなった和田竜のデビュー作「のぼうの城」が文庫版で登場、来年には映画化も。爽快な読後感がたまらない一冊。
小学館/ISBN:9784094085518(上)、9784095085525(下)
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.181(2011年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 里見