2011年1月17日
『帝国ホテルの不思議』村松友視著
作家、村松友視によるノンフィクション。
帝国ホテル総支配人をはじめとした従業員30人に取材を試み、それぞれの仕事観を浮き彫りにさせている。
1890年(明治23年)に開業した帝国ホテル。日本を代表する老舗ホテルである。ロビーのドアマンやベルマンはもちろんのこと、氷彫刻師や靴磨き職人などのインタビュー記事でも、それぞれの業務に対する姿勢、そのサービスに対するこだわりを読み取ることができる。
顧客からの要求も高いと考えられる帝国ホテル。日本にも外資系のホテルが増え、業界としての環境も厳しいと聞く。その中でも、従業員がそれぞれの役割を全うし、誇りを持って働いていることが分かる。
プロフェッショナルとして働くことの姿勢というものを考えさせる、ずっと手元に残しておきたい一冊である。
日本経済新聞出版社/ISBN:9784532167622
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.182(2011年01月17日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 氏家