2012年8月20日
『おおかみこどもの雨と雪』細田守
アニメ映画「時をかける少女」、「サマーウォーズ」に続く、細田守監督作品「おおかみこどもの雨と雪」の監督自身による映画原作小説です。
大学生の花はおおかみおとこと恋に落ち、新しい命を授かります。雪(姉)と雨(弟)は、おおかみと人間の両方の顔を持つこどもとして生きてゆくことになりました。街の片隅で静かに暮らす一家ですが、ある日おおかみおとこが事故でなくなってしまいます。次第に難しくなる都会の生活に見切りをつけた花は、田舎町に移り住むことを決意して……。
題材は変わっているように見えますが、描かれているのは家族の成長と愛。無邪気な雪や、無口な雨、二人を抱えてけなげに生きる花にはらはらしつつ、幸せを祈らずにはいられません。映画もシンガポールで公開されるそうで、楽しみに待ちたいところ。まずは原作を読んでストーリーの予習をするのはいかがでしょうか?
角川文庫/ISBN:9784041003237
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.218(2012年08月20日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合