2022年8月3日
海の東南アジア史 港市・女性・外来者
『海の東南アジア史 港市・女性・外来者』は、東南アジア海域史を専門とし、『東南アジアの港市世界』（岩波書店）などの著書、『海と陸の織りなす世界史』（春風社）などの編著のある弘末雅士による新書だ。
東西から海を越えて様々な出自の人々が集まり、複雑に関わり合って社会を形成してきたのが東南アジアである。
本書は近世から近現代にかけて、そのような社会形成に深く関わった人々、特に現地人女性とヨーロッパ人の間に生まれたユーラシアンや、東南アジアで生まれた華人など、外来者との間にネットワークを形成した人々を取り上げる。
後のヨーロッパ諸国や日本による植民地支配もまた、このような人々のネットワークと深く関わって行われたという。
東南アジア各国それぞれの歴史ではなく、海域全体における人々のネットワークから歴史を読み解く試みである。
●紀伊国屋シンガポール ウェブストアでチェック（ISBNコード：9784480074782）
