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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2021年1月12日

AsiaX×紀伊國屋コラボレーション企画「新年に読みたい1冊」ブックフェア実施中

 毎年恒例のこの企画を今年も実施。Asia Xより選出された7名と編集部がおすすめする、「新年に読みたい1冊」を紀伊國屋(シンガポール)にて販売中。ビジネス書、歴史、メンタルヘルス、著名人インタビューなど、さまざまなジャンルがラインナップ。新年、気持ちを新たにインプットする機会としてぜひ参考にしていただきたい。
 

AsiaX × 紀伊國屋書店 新年に読みたい1冊2021 ブックフェア

 今年も紀伊国屋書店シンガポール本店にて開催が決定!
 シンガポールで活躍する精鋭たちがお薦めする8冊が勢ぞろいします。是非、奮ってお越しください。
 
 フェア開催期間:2021年1月1日~2月28日
 
 ●紀伊国屋シンガポール本店:391 Orchard Rd., #04-20/20B/20C, Ngee Ann City Takashimaya
 

シュリーマン旅行記清国・日本(講談社学術文庫)

推薦者:久冨英司さん(JETRO シンガポール事務所 所長)

 ふと、江戸時代の庶民の生活に興味を持ったとき、この本に出会いました。著者はあのシュリーマン。商売で財を成した後、考古学の道に進み、トロイの遺跡発掘前に清国と幕末日本を旅行したときの見聞録です。
 
 当時清国はアヘン戦争後、欧州列強に侵略され滅亡途上。社会は乱れ、庶民の不衛生極まりない生活の様子が描かれています。対する日本は、褒め過ぎではないかという描写。世は14代将軍、家茂の時代。大政奉還が目前に迫っていますが、幕府の役人は倫理意識が高く、庶民は清潔、心豊かに生活していると描かれています。現代に共通することと変わってしまったことの両方に気づかされました。ペリー提督、アーネスト・サトウ、イザベラ・バードの見聞録もお勧めです。
 

ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件(東洋経済新報社)

推薦者:嘉藤 寛さん(KANDENKO CO., LTD. SINGAPORE BRANCH, Representative of Overseas Branch & Subsidiaries, General Manager of Singapore Branch)

 仕事柄、事業企画を立案することが多々あるのですが、戦略が「単なるアクションリストの羅列」ではなく「ストーリーになっていること」の重要性を教えてくれた一冊です。「本来、戦略は眉間にしわを寄せて嫌々考え(させられ)るものではなく、自分自身が面白く感じるものであるべき」「自分が面白いと思えないストーリーの戦略は、社内外の利害関係者が聞いて面白いわけがない」という著者の考えには、事業企画への取組み方を改めさせられました。
 

働く人のための精神医学(PHP新書)

推薦者:毛利 由佳さん(ELIXIA SG PTE.LTD. Director 株式会社エリクシア 海外事業部)

 自分のみならず、周りの人の考えや行動を理解する上でも役に立つ! まさか、あの人が…。まさか、自分が…。なんて思っていませんか?メンタル不調は誰にでも起こりえます。特にグローバル化が進み、競争が激しくなっている昨今、高ストレスにさらされている人が急増しています。海外で働くとなると生活の基盤も大きく変化しますので、尚のこと多くのストレスにさらされます。メンタル不調を予防するために、是非知って欲しい、心のトラブルについての知識と対策をまとめた一冊です。
 
 人格形成の土台に関わるところから、メンタル不調の具体的な症状や病気についての診断・治療、克服のポイントまで、著名人などを具体例に挙げながら解説しているので、状況をイメージしながら読めます。メンタルヘルスに関して、知識のない方にもわかりやすく書かれていますので、是非手に取ってみて下さい。

 

ルース・ベイダー・ギンズバーグ 信念は社会を変えた!(あすなろ書房)

推薦者:山本 裕子さん(ケルビンチアパートナーシップ 法律事務所 日本法弁護士、シンガポール外国法弁護士)

 Ruth Bader Ginsburg(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)は、男女平等の実現に大きく貢献した米国の女性弁護士・連邦最高裁判事です。『My Own Words』 という英文書籍や『RBG』 (日本公開時タイトル『RBG 最強の85才』)『On the Basis of Sex』(日本公開時タイトル『ビリーブ 未来への大逆転』)という映画を通じてご存知の方も多いかと思います。
 
 推薦の本書は、ルース判事に関する最新版の書籍で、インタビュー記事がまとめられています。1時間足らずで読めるページ数の本ではありますが、私自身の信念でもある「固定観念や周りの声にとらわれず、信念をもって努力し続ければ、自分の人生はどこまでも切り開ける」ということへのヒントになる記述が詰まっています。フリガナ付きでお子さんも読めると思いますので、お正月にご家族でいかがでしょうか。

 

CHINA AND THE WEST 中国はリベラルな国際秩序に対する脅威か?(楽工社)

推薦者:田中 琢哉さん(三菱UFJ銀行 執行役員)

 本書は、トロントで年に2回行われる公開討論会「ムンク・ディベート」で2019年5月に行われた議論を収録したものです。テーマは中国。米国人2人、中国人1人に加え、シンガポールの元国連大使、Kishore Mahbubani氏が登壇し主張を展開します。日本もシンガポールも、米中の対立とは無関係ではいられません。米中関係の問題の本質はどこにあるのか、第三国としてどう対応するのか、本書は、自分自身の問題として考えるきっかけになると思います。
 
 登壇者の著書 (Mahbubani氏の『Has China Won ?』、Michael Pillsbury氏の『The Hundred-Year Marathon』等)で論点を掘り下げてみたり、「ムンク・ディベート」のWeb Siteで本書のテーマをはじめ、さまざまな政治・経済・社会問題に関わるディベートを視聴してみることもお薦めです。

 

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法(日本経済新聞出版)

推薦者:アムリタ ミキさん(The Center for Connection Therapy PTE. LTD 代表取締役社長、NVC SINGAPORE 創始者、ジョージワシントン大学ビジネススクール 国際ビジネス専攻 経営学修士(MBA))

 NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、1970年代にアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。それは、思考で判断・批判・分析などをする代わりに、自分自身と相手のハートの声に耳を傾けることから始まります。具体的には、観察、感情、ニーズ、リクエストの4要素に注目しながら、自身の内面と相手の言葉の奥の意図を尊重しながら対話する方法です。
 
 いつ読んでも、何回読んでも学びがあります。私にとっては、平和を示す北極星のような”こころ”の書です。自分自身との関係性、大切な人たちとの関係性を良くしたいという願いをお持ちのすべての方にオススメします。

 

幸せ波動をキャッチする 天使の気功♪ (BAB ジャパン)

推薦者:山本 ひとみさん(セルフィーリングピラティス創始者 代表)

 本書は中国の元極功をベースにした気功の本で、書名の通りお気楽な気功です。体を整えると幸せを感じやすい体質になる、そのための努力や思考の切り替えは必要はなく、体を変えれば幸せを感じやすくなることを伝えています。なぜなら「幸せ」とは思考するものではなく体で「感じる」ものだからです。
 
 私も長年ピラティスを指導してきて、体が変わると思考が変わり、痛みや美容の問題が解けるだけでなく根本的にその人自身が良くなることを見てきました。だから思い悩んだり、全てを理解しようと頭を使うよりも、とにかく体を変えることが大事だと思っています。この本は「幸せを追いかけ続けること」に人生の多くの時間を費やしている人に是非読んでいただきたいおススメの一冊です。
 

『こち亀』社会論 超一級の文化史料を読み解く(イースト・プレス)

推薦者:AsiaX 編集部

 競争が激しい週刊少年ジャンプにおいて、1976年から40年間も連載を続け、しかもほとんどの期間で看板作品として人気を博していた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下『こち亀』)。主人公・両津勘吉(両さん)を中心に描かれるエピソードは、当時最新の話題を取り込み、特に両さんが発案するビジネスの先見性が高く評価されています。
 
 本書は『こち亀』を文化資料と捉え、「ビジネス」「ポリティカルコレクトネス」「リテラシー」などの視点から考察しています。withコロナとなる新年、先見性と決断力、行動力が試される年になるかと思います。両さんのアイデアとバイタリティはコロナ禍を乗り切るためのお手本になるかもしれません。

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