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健康相談Q&A

2020年6月17日

脂肪肝を改善するには?肝硬変やがんになることも

脂肪肝とは

 脂肪肝は肝臓に脂肪、特に中性脂肪が蓄積した状態を言います。腹部の超音波検査やCT検査などで診断できます。その主な原因は、肥満、飲酒、糖尿病です。もともと日本人は、脂肪を蓄積しやすい体質があり、それに加え多忙で不規則な生活が脂肪肝の増加に拍車をかけています。脂肪肝は自覚症状がないことが多く放置されがちで、肝炎、肝硬変から肝臓がんになる可能性もあります。
 
 最近の傾向として、アルコール性脂肪肝は減ってきていますが、非アルコール性の脂肪肝は増えています。無理なダイエットが肝臓に負担をかけ、脂肪肝になる女性も少なくないようです。
 

改善するための対処法

運動

 肝臓に蓄積した脂肪を運動により燃焼させましょう。早足の散歩、ジョギング、水泳、サイクリングなどを持続可能な適度な運動強度で1回30分以上、週3回以上を目標に行ってください。

禁酒

 飲酒は肝臓に負担をかけます。脂肪肝の原因が飲酒ではない場合でも、飲酒は原則禁止です。

腹八分目

 1日あたりの適性なカロリーは体重1キロ当たり約25キロカロリーです。特に、バターや肉の脂身などの動物性脂肪は体にたまりやすく、糖分は中性脂肪を合成しやすいのでとりすぎに注意しましょう。

タンパク質の摂取

 肝細胞や肝代謝に必要な酵素を作るにはタンパク質が必要です。赤身肉、鶏肉、魚、豆類などに含まれている良質のタンパク質をとりましょう。

ビタミン、ミネラルの摂取

 ビタミン、ミネラルをバランスよくとることは、肝細胞を修復するには欠かせません。キノコ類や貝類はビタミン、ミネラルを豊富に含んでおり、お勧めの食材です。

食物繊維の摂取

 食物繊維を多く含む食品をとることで、肝臓に過度の脂肪が摂取されることを防ぎます。また食物繊維は糖分や脂肪の吸収を遅らせる働きもあります。

過酸化脂質からの防御

 紫外線、喫煙、ストレス、激しい運動などにより発生する活性酸素により脂肪は過酸化脂質になります。過酸化脂質が多くなると脂肪肝になりやすくなります。牛レバー、ブロッコリー、ほうれん草、たら、赤貝などに含まれるグルタチオンや大豆、高麗人参などに含まれるサポニンは、過酸化脂質の生成を抑制し、肝臓を守る働きがあります。

脂肪肝を改善する栄養成分の摂取

 貝類、いか、たこなどに含まれるタウリン(肝臓にたまった脂肪を外に出す働きがあります。)、牛乳、チーズ、レバー、全粒小麦などに含まれるメチオニン(肝臓から毒素や老廃物を排除し代謝を促進させます)、ごまに含まれるセサミン(飲酒による肝臓の障害を緩和します)は脂肪肝の改善に有効です。

糖尿病の治療

 糖尿病を患っている人は、肝臓で中性脂肪を多く作り出してしまいます。糖尿病をコントロールして、脂肪肝を防ぎましょう。
 
 
 ほとんどの場合、脂肪肝は努力で改善できます。まずはできることから始めましょう。

取材協力=日本メディカルケアー 医師・白石 勉

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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