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健康相談Q&A

2020年6月3日

繰り返す「ものもらい」、良い予防法は?

 「ものもらい」は、一般には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言われるものの俗称です。他にも「めばちこ」「めいぼ」などの呼び名があります。
 
 麦粒腫はまぶたのふちや内側の分泌腺が、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などの常在菌に感染して起こります。症状としては、まぶたの一部が赤く腫れ、痒みを感じ徐々に痛みを伴うようになります。炎症が強くなると、膿が出ることもあります。異物感を強く感じると、非常に不快になります。
 
 また、霰粒腫(さんりゅうしゅ)も「ものもらい」と呼ばれることもあります。霰粒腫は、細菌感染によって起こるものではなく、まぶたの縁にあるあぶらの分泌腺が詰まってできるしこりです。放置すると、数ヶ月以上症状が続くことがあります。普通は痛みはありませんが、細菌感染が併発すると、麦粒腫のように発赤と痛みを伴います。
 

ものもらいの予防法

まぶたをいじらない

 手や爪を清潔に保つことが大事です。特にアトピー性皮膚炎や花粉症などがあると目の周囲にかゆみが現れてかいてしまうため、細菌に感染しやすくなります。

まぶたを清潔にする

 まつげの生え際は、もともと雑菌がたまりやすい場所です。汗をよくかく人は、特に注意しましょう。

コンタクトレンズの取り扱いに注意する

 コンタクトレンズは清潔に管理し、雑菌が付かないようにしましょう。

まぶたのメイク、アイラインを濃くしない

 まつげの内側までメイクなどして化粧が入り込むと、目は細菌に感染しやすくなります。できるだけ濃いアイラインは避け、メイクを落とすときは蒸しタオルなどを利用してきれいに拭き取りましょう。

前髪が目にかからないようにする

 前髪の先端が目に当たると「ものもらい」ができやすくなります。特に切ったばかりの髪は先がとがっており刺激が強いので目に当たらないようにしましょう。

疲れやストレスをためない

 疲れがたまると、免疫力が落ちて細菌に対する抵抗力も落ち、元気であれば感染しない常在菌に感染していまいます。季節の変わり目には、特に注意しましょう。

お酒を飲みすぎない

 アルコールは炎症を悪化させることがあります。

辛い食べ物や甲殻類を食べ過ぎない

 刺激の強い辛い食べ物は「ものもらい」を起こしやすくします。また、エビやカニなどの甲殻類も炎症を起こしやすくするので食べ過ぎに注意しましょう。

まぶたを温める

 40度ぐらいのややぬるめのお湯に15分程度つかると、まぶたが温まり、まぶたの分泌腺が詰まるのを予防するのに効果的です。また蒸しタオルなどを使ってまぶたを温め軽くマッサージすることも余分な分泌物が出て分泌腺が詰まることを防ぎます。

 

 麦粒腫は、抗菌点眼薬や軟膏での治療によってほとんどの場合は数日で治癒し、切開して治療することは多くありません。霰粒腫は、まぶたを温めることでしこりが小さくなり消失することもありますが、自然治癒には時間がかかることがあります。また、しこりが大きいと角膜を圧迫し、乱視を引き起こす可能性もあるので、しこりが大きくなる場合は早く治療することが大切です。大きいしこりに対しては、しこりのまわりにステロイドを注射して治療することもあり、切開しなければ治癒しない場合もあります。「ものもらい」が軽快しない場合は、自己判断で放置せず早めの受診をお勧めします。

取材協力=日本メディカルケアー 医師・白石 勉

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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