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健康相談Q&A

2020年5月26日

家で擦り傷などのケガの治療をするには?

 数年前から医療現場においては、ケガ(創部)の処置の方法がだいぶ変わってきています。その理由としては、以前に正しいとされていた処置の方法が、かえって創傷治癒を遅らせたり、傷がきれいに治ることを妨げたりすることが分かってきたためです。
 

傷の治療10ヵ条

 創傷治癒について、日本の特定非営利活動法人・創傷治癒センターで推奨されている10ヵ条をご紹介いたします。
 
 1.怪我をしたらまず水で洗う。
 2.火傷は水で冷やす。
 3.あまり消毒剤に頼らない。
 4.創面はモイスト(湿った状態、傷を乾かさない)に。
 5.1ヵ月経って治らない火傷は植皮が必要。
 6.傷あとの修正は半年待つ。
 7.傷あとは目立たなく出来るが、なくすことはできない。
 8.床ずれ(褥瘡)は予防できる。
 9.下腿の潰瘍は治りが悪い。
 10.傷を治すのは自分の治癒能力。
 

擦り傷の処置4選

 今回は擦り傷をつくったらすぐにできる処置(主に上記の1~4)について詳しく説明します。

止血と洗浄

 擦り傷から出血しているときは傷口を直接きれいなハンカチやガーゼで押さえて圧迫止血をします(通常は5分以内に止まります)。それができたら傷を洗って汚れを落とします(日本やシンガポールなどの管理された水道水であればそのまま使用可能です)。汚れが目に見えなくても30秒以上は洗ってください。傷の中が汚れている場合には多少痛みがあってもしっかり洗わないと、残った汚れから感染(バイキンが増える事)を起こして傷が治りづらくなります。痛かったり、怖かったりして自宅で処置を行えない場合は医療機関を受診してください。

サランラップで浸出液をとどめる

 続いて、どこの家庭にもおいてあるサランラップを傷よりやや大きめに切り、傷にあてラップの周囲を絆創膏で固定します。薬局にはTegaderm(3M)などの医療用創傷被覆材も売っています。
 
 傷からの浸出液(透明な粘液)は傷を治す作用があります。浸出液があまりにも多く、ラップの脇から漏れてくるようであればタオルかガーゼをあてて吸い取るようにしてください。ラップや被覆材をあてるのは傷の部分が「ピンク色の光沢のある皮膚」になり、浸出液が出なくなるまでです。
 
 他に注意点として、土や砂などで傷の汚れがひどい場合は、破傷風の予防のために破傷風免疫グロブリンの注射が必要なことがあります。
 
 自宅での傷の処置がうまくいかず膿んでしまった時や不慣れな時には医療機関を受診してください。抗生剤の投与などが必要な場合もあります。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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