シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP慢性腎臓病(CKD)をご存じですか

ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2020年1月6日

慢性腎臓病(CKD)をご存じですか

シンガポールでの仕事や生活で知っておきたい健康管理のお話

 腎臓には、糸球体という部分で血液をろ過して不要な水分や老廃物を排泄する働きがあり、そのろ過能力のことをeGFR(推算糸球体ろ過量)と言います。eGFR90(単位:mL/分/1.73m2)以上が正常、60以上90未満は正常または軽度低下、60未満は腎機能低下と推定されます。eGFR60未満や尿蛋白・潜血陽性が3ヵ月以上持続している状態を慢性腎臓病(CKD)と呼びます。そのほかに、ミネラルバランスの調整、血圧の調整や造血ホルモンの分泌、骨を丈夫にするために必要なビタミンDを活性化する働きがあります。
 
 腎機能が重度に低下するとむくみやだるさ、血圧上昇、貧血などの症状がみられるようになります。軽度の障害では通常症状はみられないため、定期健診で腎機能の状態を知ることは重要です。
 
 CKDは、糸球体腎炎などの腎臓の疾患のほか、糖尿病や高血圧など生活習慣病に起因することが増えていて、これらの疾患と加齢により腎機能の低下が早まることが明らかにされています。また、腎機能の低下自体が動脈硬化を進める因子となり、心筋梗塞など心血管疾患のリスクを増大させることも分かってきました。
 
 慢性的に低下した腎機能は元に戻すことは困難です。CKD予防のため、十分な水分補給、減塩、バランスの良い食事と運動による適切な体重維持、禁煙、痛み止めや抗菌薬の必要最小限の使用を心がけ、血圧・コレステロール・血糖値・尿酸値といった動脈硬化を早める因子のコントロールに努めましょう。
 

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP慢性腎臓病(CKD)をご存じですか