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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2018年9月29日

脳卒中対策は働き盛りから

脳卒中は、脳の血管が何らかの原因によって詰まることで酸素や栄養を供給する血液が届かなくなって脳細胞が壊死したり(脳梗塞)、脳内の細い血管が破れて出血し脳細胞や神経が障害を受ける(脳出血、くも膜下出血)病気です。脳卒中の大きな発作が起きると身体の麻痺や言葉の障害などが後遺症として残り、多くの場合、比較的長期間の入院治療とリハビリを余儀なくされます。また、くも膜下出血などは死亡率が高く、突然死の代表例となっています。

 

脳卒中は、半身の麻痺、片方の目が見えない、物が二重に見える、言葉の障害、激しい頭痛などの症状が突然現れることが特徴的で、重症の場合は意識を失います。発作が起こったら早期に適切な処置を受けることが重要です。症状が出て数分から1時間で消失する一過性脳虚血発作という病態もありますが、これは脳梗塞の前触れ発作であるため、症状がおさまっても直ちに受診しましょう。

 

脳卒中は症状が出たときの対処が重要なことはもちろん、予防に努めることも大切です。高血圧や脂質異常(高脂血症)、糖尿病などが要因となることが多いため、健康診断でこれらが指摘されたら、医師の助言を守って生活習慣の改善や再検査などフォローアップに取り組みましょう。脳卒中は老後の病気と認識するのでなく、働き盛りの頃から予防に取り組むことが重要です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.338(2018年10月1日発行)」に掲載されたものです。

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