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文化

2005年11月6日

「東南アジア青年の船」シンガポールに寄港

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今回で33回目を迎える「東南アジア青年の船」、今年は10月23日に横浜を出港し、同30日、最初の寄港地であるシンガポールに到着した。

この事業は1974年に日本とASEAN加盟国間の共同事業として発足、日本の青年の国際的視野を広げ、日本とASEAN加盟10カ国の青年相互の理解と友好を促進し、国際協調の精神と実践力を向上させることで、国際社会の各分野で指導性を発揮できる青年を育成することを目的として毎年実施されている。

10月31日にはパン・パシフィック・ホテルにて、参集式および歓迎夕食会が開催された。参集式では安倍内閣総理大臣のメッセージを谷本内閣府大臣政務官が代読、約320名にのぼる各国からの参加者達を激励した。

参集式に引き続いて行われた歓迎夕食会の後、シンガポール代表団によるダンス・パフォーマンスが披露され、華やかな民族衣装やドレスに身を包んだ参加者達の熱気に溢れた会場をさらに盛り上げていた。

シンガポールには11月4日まで滞在、参加者達は大学や福祉施設の訪問、2泊3日のホームステイなどで交流を図った。この後インドネシア、マレーシア、ブルネイ、フィリピンを訪れる予定。

「東南アジア青年の船」参加者インタビュー

北川 雄介さん(日本)

p02 (14)日本代表団38名の一員として今回の「東南アジア青年の船」に参加している北川さんは、学生時代に東南アジア各国を旅行し、イギリスへの留学経験もあるなど国際経験豊かな青年。大学で福祉を学び、今回の参加直前まで勤めていた京都ユースホステルでは地域の青少年育成に取り組んできた。

東南アジア各国の同世代の人たちと幅広く意見交換してみたいと考えて「東南アジア青年の船」に参加したそうで、「参加者はみな志の高い人たちばかりで、刺激になります」と明るい笑顔で語ってくれた。

参集式を終えたばかりで本格的な活動はこれからだが、「この旅を通じて、長く付き合える友人を作り、生涯意見交換できるような関係を築きたい」とのこと。青少年育成に関するディスカッションも予定されているとのことで、10カ国の参加者達との意見交換を非常に楽しみにしている。

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Dang Thi Manhさん(ベトナム)

p03 (3)ベトナム代表団のアシスタント・リーダーを務めるManhさんは、学生組織のリーダーも勤めており、今回その組織の代表として参加している。

この旅に期待することは、参加者同士や訪問地の人たちとの交流を通じて、様々な文化や習慣に触れ、異文化理解を深めること。もうひとつは、日本とベトナムの関係について理解を深めること。「日本とベトナムは友好的な関係にありますが、なぜ関係が良好なのかを知ることで、両国が将来的にも良い関係を維持するために貢献できると思うんです」と語ってくれた。

卒業後は旅行会社への就職が決まっている。その国を知るには実際に訪れるのが一番。ベトナムを訪れる人たちが、ベトナムへの理解をより深めることができるよう手助けをしたいそうだ。今回の「東南アジア青年の船」で様々な経験を得て、仕事に活かしたいと語ってくれた。

Afzan Adilah Binti Ayoybさん(マレーシア)

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クアラルンプールで歯科医をしているAfzanさんにとって、「日本丸」は幼い頃からの憧れだった。実は彼女のお父さんもかつて「東南アジア青年の船」の参加者。お父さんが参加した時の写真を見て育った彼女にとって、自分も青年の船に参加して、「日本丸」に乗って東南アジア各国を旅することは自然の流れだったという。

マレーシアはご存知の通り多民族国家。マレー系、中華系、インド系、その他様々な宗教や民族としてのバックグラウンドを持つ人々が住むこの国では、異文化と接しているのが常。日頃から培ってきた異文化交流のノウハウで、他国の参加者の手助けができればと考えている。

「職業柄、普段は口の中という小さな空間ばかりを見ているので、今回青年の船に参加して、大きな世界を見れるのがウレシイ」と笑いながら、今回の旅への期待感を彼女なりに表現してくれた。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.085(2006年11月06日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

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