2016年10月17日
シンガポールでの麻疹(はしか)予防接種について
最近日本のコンサート会場や空港での集団感染が話題になった麻疹ですが、どんな病気かご存知ですか?発熱、咳、鼻水、結膜充血などが数日続いた後、口の中に白い粘膜疹が出て耳の後ろから発疹が始まり全身に広がります。感染した人の90%以上が発症し、何もなければ7~10日で主な症状は回復しますが、肺炎や中耳炎などの合併症を起こすことが多く、1,000人に1人は脳炎を併発し命に関わることがあります。
麻疹は非常に感染しやすく、咳や鼻水が飛び散って感染する(飛沫感染)だけでなく麻疹ウイルスを含んだ飛沫核が空中を長時間漂うため(空気感染)、閉鎖空間で一緒に過ごすだけでも感染します。また飛沫核は非常に小さいので通常のマスクでは予防ができません。治療法はなく、対症療法のみなので、予防接種であらかじめ免疫をつけておくことが最善です。
日本では定期接種として、1歳に1回目、5~7歳の就学前に2回目のMR(麻疹風疹)ワクチン予防接種が行われています。麻疹ワクチンは1966年に導入され、1978年から定期接種に組み込まれ、2006年からはMRワクチン2回接種となりました。
シンガポールではMMR(麻疹、風疹、おたふくかぜ)の三種混合が接種可能で、計2回の接種が推奨されています。生ワクチンのため接種後は1~3ヵ月の避妊が必要です。詳しくは医療機関でお尋ねください。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.312(2016年10月17日発行)」に掲載されたものです。