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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2016年8月15日

たかが突き指、されど突き指 靭帯損傷や骨折の恐れも

突き指くらいなら、何もしなくても治ると軽く考えてしまいがち。しかし突き指だと思っていたケガの中に、かなりの頻度で靭帯損傷や剥離骨折が含まれています。これらを長期間放置してしまうと、指が曲がって固まったり(変形)、曲げにくくなる(運動機能障害)などの支障をきたしてしまいます。最初に適切な処置をすれば、このような合併症を防ぐことができるでしょう。

 

突き指の中でも注意を要するマレット変形は、ボールなどが指先に当たったときによく起こります。指の第1関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自分で伸ばそうと思っても指が真っすぐに伸びません。木槌(Mallet)のように曲がった変形なので、マレット変形といいます。マレット変形には、伸ばす腱が切れた状態(腱性マレット指)と、腱が付いている骨が関節内で骨折してずれてしまった状態(骨性マレット指)があります。骨折の有無で治療方法が変わることがあるので、X線撮影などで診断します。

 

突き指を発症した際に指を引っ張る行為はとても危険で、症状を悪化させてしまいます。サイズがぴったり合った指装具などで数週間固定する治療が一般的です。痛みがあるうちは曲げないこと、動かさないことが大切です。また骨折を伴う骨性マレット指の場合には、手術を必要とすることもあります。

 

スポーツの際は、硬いボールでドッジボールをしない、サッカーのゴールキーパーなどはグローブを着けるなど予防も大切です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.308(2016年8月15日発行)」に掲載されたものです。

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