2016年7月4日
『カエルの楽園』 百田尚樹著
『永遠の0(ゼロ)』『海賊とよばれた男』など、次々と話題作を発表する百田尚樹氏の最新「問題作」。主人公のアマガエルは祖国を逃れ、平和の国「ナパージュ」に辿り着きます。その国には、平和を保つため、ほかのカエルとの争いを禁じる「三戒」の教えがあるのですが、ある事件が起きたことでその意義が揺らぎ始め……。この物語に登場するカエルや鷲、国、そしてそこで起こる出来事などが何の隠喩なのか、きっと思い当たることがあるはず。結末で描かれるナパージュ国の運命は、日本人への警告のようにも思えます。皆さんは本書を読んで、どのような感想をお持ちになるでしょうか。
新潮社 ISBN:9784103364122 4-10-336412-2
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.305(2016年7月4日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合