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シンガポールでKANPAI!

2016年5月2日

シンガポールでKANPAI! 第2回

今回のKANPAI人は…

デリック・リムさん
IVGS group pte ltd ダイレクター
Advanced Sake Professional(SEC)

 

-当地での活動について教えて下さい
日本の7つの蔵元と提携して飲食店に日本酒を卸しています。また、酒サムライのジョン・ゴントナー氏を招いたセミナー「Sake Professional Course」や、蔵元を招いたイベント「SAKE MASTERS SUMMIT」などを主催しています。

 

-日本酒に興味を持ったきっかけを教えて下さい
今から6年前に日本を訪れた際、日本酒の奥深さと種類の多さに感銘を受けました。当時、シンガポールにも日本酒はありましたが、似たような味のものばかりでバリエーションに乏しく、初めて日本酒の美味しさを知ったのです。それでシンガポールに戻ってすぐにジョン・ゴントナー氏のセミナーに申し込み、再度日本を訪れました。そのセミナーを通じてより深く日本酒に触れ、さらに興味を持っていきました。

 

-なぜ当地でセミナーを開催されたいと思ったのでしょうか?
当時のシンガポールでは、「大吟醸」という言葉すら知られておらず、日本酒は全て「SAKE」と一括りにされていたほどでした。卸売業者は飲食店の求めるお酒を仕入れるため、消費者に知識がないと、流通するお酒も一辺倒のものになってしまいます。この現状を打破するためにはシンガポール人の日本酒に関する知識を底上げする必要があると思いました。
ジョン・ゴントナー氏には再三にわたって講師のお願いをしましたが、なかなか首を縦に振ってもらえなかったんです。理由は、シンガポールで日本酒の良さを教えても現地でいい日本酒が手に入らないから、というものでした。しかし、人々が変われば現状も変わる、と何度も日本に足を運び説得し、ようやくイベントの開催にこぎつけることができました。

 

-今後の展望は?
できる限り長く、セミナーやイベントを開催し続けたいですね。日本酒をシンガポールのローカル料理とマッチングさせるフードペアリングや、スイーツとマッチングさせるスイーツペアリングなどは他でまだ試みのないことなので、こういう新たな側面からも日本酒の認知を広めていきたいです。

 

-最後に、デリックさんの好きなお酒と飲み方を教えて下さい
私は日本酒だけではなく、ワインやウィスキーなどお酒は何でも好きなので、なかなか難しい質問ですね(笑)。日本酒に限って言うなら、冷やや熱燗などそれぞれの日本酒の個性に合わせた温度で飲むのが一番おいしく飲めるでしょう。ただ、同じお酒でも人によって飲み方は違ってよいとも思っているんです。「このお酒はこう飲むべき」と型に嵌めず、自分がおいしいと思う方法で味わうのが一番ではないでしょうか。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.301(2016年5月2日発行)」に掲載されたものです。

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