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熱帯綺羅

2016年3月7日

世代や国籍を超えて愛される音色 シンガポールで広がるウクレレコミュニティー

共同創業者のサイモン・モクさん(写真左)とグリン・チャンさん(写真右)世界中から良いウクレレを探して入荷。それぞれ音色が違うのもウクレレの魅力と語る。

目覚ましい経済発展を遂げながらも今や急激な高齢化に直面しているシンガポール。2020年までに全人口の35%が50歳以上になると予想されています。元気で過ごすための趣味を探す高齢者が増えるなか、人気になりつつあるのがウクレレ。また、弦が4本しかなく、小さな子供の手にも収まりやすいということで、幼稚園や小学校の放課後のクラブ活動などでもウクレレが採用され始めています。

今でこそ知られるようになりましたが、つい7~8年前までシンガポールのどこを探してもウクレレを入手できる所はありませんでした。そんな状況からここまでウクレレが浸透するようになってきた背景に、ひとつのコミュニティーの存在があります。愛好家が集うシンガポール唯一のウクレレ専門店「ウクレレ・ムーブメント (Ukulele Movement)」を訪れました。

 

シンガポールはウクレレの似合う国

MRT北東線およびダウンタウン線リトル・インディア駅から徒歩約5分、サリーやパンジャビドレスなどの民族衣装を着た人が行き交い、カレーのスパイスが漂う通りに店を構える「ウクレレ・ムーブメント」。ドアを開けると明るい店内には柔らかなウクレレミュージックが流れ、椰子の木のラックにウクレレがココナツのようにディスプレイされるなど、気分は一気にハワイアン。店外の雰囲気とのギャップも面白い店です。

「ウクレレといえばアロハシャツを着たエルビス・プレスリーが映画の中で弾いている場面が印象的ですが、シンガポールでもビーチなどで弾いたら誰でも格好良く見えるものですよ」。そう笑って話すのは、共同創業者のサイモン・モクさんとグリン・チャンさん。

元々ギターが趣味だった2人が、ある時、名曲「オーバー・ザ・レインボー」をウクレレで弾き語る映像をインターネットで見て「ギターよりも簡単に、こんな素晴らしい音色が出せる楽器があるのか」と感動。しかし2008年当時、シンガポールでウクレレを扱っている楽器店は皆無で、インターネットで検索を重ねてハワイのショップから購入したそうです。

 

ウクレレはハワイの民族楽器としておなじみですが、常夏でビーチが身近という点ではシンガポールも似た環境。届いたウクレレを手にして「シンガポールにウクレレは似合う。こんな楽器を広めないのはもったいない。ウクレレ運動(Ukulele Movement)をシンガポールで起こそう!」と2人は一念発起。数少ないウクレレ愛好家をネットや口コミで探して連絡をとり、ウクレレが習える場所として自宅を開放しました。

すぐに入りきらないほどの人が集まるようになったため、2015年10月にこの地に店を構えました。店内にはハワイをはじめヨーロッパやアジア各国、世界中から集めた色も素材も多様なウクレレが壁一面に並び、レッスンやワークショップで気軽にウクレレが習えるようになっています。ウクレレは同じ弦楽器のギターと比べかなりコンパクトで軽く、持ち運びしやすい楽器です。「自宅のバルコニー、プールやビーチサイド、バーベキューパーティーなどシンガポールにはウクレレが似合う場所が多い」と常に持ち歩いている愛好家もいるそうです。

 

定期的に行われるワークショップやレベル別のレッスンは音楽好きが集まり楽しくワイワイとした雰囲気。現在は7歳以上が対象だが、今後は幼児教育の経験のある講師を採用して未就学児童にも対象を広げていく予定。
店内には常時150~200本のウクレレを取り揃え、価格は50Sドル前後から3,000Sドルと幅広い。

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