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熱帯綺羅

2009年11月2日

シンガポールの街を彩るショップハウス

歴史的価値のあるショップハウスの保存

シンガポールでは、独立から20年余りが過ぎた1986年以降、政府が主導して大規模な歴史的市街地の保存に取り組んでいて、ショップハウスが集まる地区の多くが保存地域に指定されています。保存地域のショップハウスの外観の変更や増改築などは細かいガイドラインが規定されていますが、内装に関しては比較的ゆるやかで、伝統的な外観を保ちつつ内装はモダンな空間を持つレストランなども多数あります。

アルゼンチン出身のアーネスト・ベドマーさんは、シンガポールでショップハウスの改装を20年以上手がける建築家。ショップハウスの持つ美しさとオリジナリティに魅了され、これまでに20軒余りがアーネストさんによって新たな息吹を吹き込まれてきました。かつては歴史を感じさせる外観とは異なる、モダンで斬新な内装をデザインしたこともありましたが、最近は内装もできる限りオリジナルを生かしているとのこと。「建物の古さや歴史を感じられるのがむしろ良いと思うようになりました。街には巨大な高層建築が溢れていますが、ショップハウスのように身丈に合ったスケールの家が人間にはやはり合っていると思います。」アーネストさんの手で甦るショップハウスは、これからまだまだ増えそうです。

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カンポン・グラムのブッソーラ・ストリート。両側にショップハウスがずらりと並び、奥にシンガポールで一番古いモスク、マスジット・サルタンがある

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アルゼンチン出身の建築家、アーネスト・ベドマーさん。花柄のタイルが美しいショップハウスの前で

 

文= 石橋雪江
写真=Eugene Chan

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.156(2009年11月02日発行)」に掲載されたものです。

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